<この記事のメリット>
この記事では以下のことがわかると思います。
・「字数節約」の方法
・冗長な表現を避けるためには
・論理関係を明確にする
・「定量的な情報を入れる」とはどういうことなのか
・「数値」を使う意義とは何か
・「自分の前提は他者の前提ではない」とはどういうことか
・結果の見せ方
次のような学生さんにおすすめです。
・語彙力不足を感じる
・取り組み内容が抽象的になっている
・文章をより精緻化したい
・数値を的確に使いたい
★この記事の一連の添削は、①構成を練る→②1,000字で書く→③400字に凝縮する、という流れで行います。
- 1.初回提出時の本文(1,000字)
- 2.ガクチカ構成フォーマット
- 3.添削(1回目)
- ポイント①【用語の検討】(要修正度★)
- ポイント③【読み手に対する前提の提示/数値情報の有効な提示方法】(要修正度★)
- ポイント④【日本語の問題(言いたいことを的確な日本語で言い表せているか)】(要修正度★)
- ポイント⑤【定量的情報の提示】(要修正度★)
- ポイント⑥【根拠に基づく原因分析】(良い点)
- ポイント⑥【類似した内容の統合による冗長性の回避】(要修正度★)
- ポイント⑦【水平展開】(要修正度★)
- ポイント⑧【問題と解決策の対応関係】(要修正度★)
- ポイント⑨【明確な書き方】(要修正度★)
- ポイント⑩【水平展開】(要修正度★)
- ポイント⑪【具体化】(要修正度★)
- ポイント⑫【的確な日本語の表現】(要修正度★)
- ポイント⑬【ガクチカ本文から読み取れる強みと貴社に貢献できる強みの乖離】(要修正度★)
- 4.添削(2回目)
- ポイント①【字数節約】(要修正度★)
- ポイント②【全体像の明確化】(修正任意)
1.初回提出時の本文(1,000字)
【本文】
香坂さん(仮名)「ガクチカ作成のためのフォーマット入力」(添削1回目)
私が学生時代頑張ったことは、損害保険会社のコールセンターのアルバイトで、お客様対応の生産性を1.5倍に向上させたことである。自動車事故の電話を受け1人でも多くのお客様を助けることが最大の目的であり、1本の受電から聴取内容を本部へ送信完了するまでを17分で終えることが会社目標として掲げられている。しかし私を含めた同期13人の平均時間は23分であり、目標とは程遠い実情だった。改善の為、今までの私自身のログを分析する中で、2つの問題点が浮き彫りになった。突然の事故で焦りから怒鳴るお客様からのニーズを把握することと、聴取した内容の入力作業それぞれに時間が掛かっていることだ。そこで先輩社員の応対を聞き、受容、共感を表す言葉など有効なフレーズをメモにまとめ、出勤前や休息時間に見て復習を行った。その上でお客様からのよくある質問集をつくり、焦りから何を話せばいいのかわからなくなっているお客様へ、私から2択の逆質問を行いニーズを迅速に把握できるようにした。更に、頻度の高い言葉を定型文として事前に用意することで、切電後の入カ作業の短縮を実現した。全体の生産性を上げるために、同じように時間の短縮に悩みを持っていた同期の中で、新たな取り組みを共有し、定型文は誰でもすぐに編集ができる状態にした。その結果、自身の平均時間が13分台になっただけでなく、同期全体の平均時間も16分台に縮まり生産性が1.5倍に向上した。1本の受付電話をスムーズにこなせるようになったことで、お客様からの病院連絡や、レッカー手配の希望など関係部署へ連携する必要があるニーズも過去と比較してお客様を待たせることなく行えるようになった。その結果、お客様からの私自身の対応SMSアンケートコメント欄に、丁寧迅速に対応頂きありがとうございましたという旨の言葉を頂けるようになった。この経験を通して、課題がある際に、当事者意識を持ち何が問題となっているかを分析し、効果的な方法を考える力がついた。また、結果が出た方法は自分だけでなく周りにも伝えることの意義を学んだ。自ら率先して行動に移す力は仕事を行う上で貢献できると思う。
2.ガクチカ構成フォーマット
・しばもんの添削では、ガクチカの構成を考える上で、オリジナルのフォーマットを使用してもらいます。
・しばもんオリジナルの「ガクチカ構成フォーマット」は次のような設問に答えてもらうというものです。
①ガクチカの全体像がわかる冒頭の一言に関する情報
・どこで(野球部で/化粧品販売のアルバイトで)
・どんな役割として(部長として/リーダーとして/塾講師として)
・何を(大会優勝に向けた練習/売り上げの増加)
・どのように頑張り(仲間と協力しながら/緻密な計画を立てそれを徹底的に管理しながら)
・どのような成果を得たか(可能であれば数値で示す)(全国大会3位になった/売り上げを前年比50%増加させた)
②目標設定
・その活動をするにあたって、当初どのような目標を立てていたのか(可能であれば数値で示す)
・なぜそのような目標を立てていたのか(論理的に)
③動機
・このガクチカで記述する活動を始めた動機について書く
④現状把握/問題点の明確化
・その活動の現状はどうであったか(事実を詳細に記述する)
・上で設定した目標とその現状にはどのような乖離(=直面している問題)があったのか(目標販売数100個に対して現状では販売数2個など)
⑤原因分析
・上で記述した目標と現状との乖離(=問題)が生じる原因は何であると分析したか(そのように分析する根拠に基づきながら記述する)
⑥解決策の立案
・上で特定した原因を解決できる方策や取り組み事項としてどのようなことが有効であると考えたのか(そのように考える根拠に基づきながら記述する)
・些細なことも含め、実際に立案して取り組んだ解決策をすべて列挙する。
⑦解決策の実践(ここを一番「具体的に」書く)
・上で立案した解決策をどのように取り組んだのか(周囲を巻き込んだ、仲間と協力した要素があればなおよい)
・上で列挙した解決策それぞれについて、「具体的に」どのように取り組んだのか、どのように頑張ったのかを詳述する。
⑧結果と効果検証(可能であれば数値で示す)
・上の取り組みを行った結果、どのような成果を得たのか(売り上げ50万円増加)
・当初設定した目標はどれくらい達成できたのか、できなかったのか
・(実際にはESには書かないですが)達成や未達成にかかわらず、そのような結果となった成功要因や課題は何であると分析したか
⑨身に着けられた力(強み=自己PRの設問で書くような内容)※「~と感じた」のように感想文にならないように注意する
・一連の経験から「身に着けられた力」は何か(「~を学んだ」とならないように注意してください)
⑩企業での汎用性(採用担当者があなたを採用するメリット)
・その「身に着けられた力」は入社後どのように役に立つのか、以下の観点から書いてください。(志望する会社が未定の場合は仮に設定してください。インターンシップやOB訪問の経験があるのならそこでの実体験や見聞に基づいて書いてください)
(a)あなたの志望する会社の事業や業務ではどのような問題や課題が想定されるのか
(b)そのような問題や課題を解決する際にはどのような解決策や方策、能力やスキルなどが必要であると予想されるのか
(c)上述のあなたの力(強み)はそのような問題解決にどのように活かせるのか、どのように貢献・寄与できると考えられるのか
※②動機と⑩企業での汎用性については、ガクチカに無理に入れる必要はありません。面接で話したり、自己PRや志望動機の設問で触れたりするのが良いかもしれません。
3.添削(1回目)
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
①ガクチカの全体像がわかる冒頭の一言に関する情報
・どこで(野球部で/化粧品販売のアルバイトで)
損害保険会社のコールセンターで
・どんな役割として(部長として/リーダーとして/塾講師として)
受付窓口として
・何を(大会優勝に向けた練習/売り上げの増加)
対応生産性を
・どのように頑張り(仲間と協力しながら/緻密な計画を立てそれを徹底的に管理しながら)
原因を分析し、解決方法を考えたことで
・どのような成果を得たか(可能であれば数値で示す)(全国大会3位になった/売り上げを前年比50%増加させた)
生産性を向上させただけでなく、お客様満足度も上がった。
ポイント①【用語の検討】(要修正度★)
・「お客様満足度」という用語でも良いのですが、「顧客満足度」とすると1字節約できますし、文章に締まりも出ると思います。いかがでしょうか。
・ただ、事故に遭ったお客様が「顧客」と言えるのか。一応「顧客」ですかね、契約していますしね。何か「お客様」を表す良い言葉があるといいのですが。
②目標設定
・その活動をするにあたって、当初どのような目標を立てていたのか(可能であれば数値で示す)
・なぜそのような目標を立てていたのか(論理的に)
1本の電話時間を会社目標である17分にする
会社目標を達成することが、まず求められていると感じた為
17分で終わらせる必要があるのにも関わらず、自身を含めた同期の平均時間は23分であった。
ポイント③【読み手に対する前提の提示/数値情報の有効な提示方法】(要修正度★)
・「同期」とはここではどの人たちを指しているのか気になりました。
・「同期」は一般的に、入学や入社が同じ時期の人を指しますが、ここでは、香坂さんと同時期にアルバイトとして採用された人たちの集団を指しているのでしょうか。
・今、読み手(以下、採用担当者のことを指します)は香坂さんの職場の制度を知らないため、そもそも電話対応は数人ごとのいくつかのグループに分かれて業務を行っているのかなどのイメージがつきにくくなっています。
・仮に数名のグループ単位で電話対応業務を行っているとして、ここでいう「同期」とは何人いるのか、その「同期」たちは香坂さんと同じグループで業務しているのか、「同期」以外の人は同じグループにはいないのか、そういった前提となる情報がわからないままになっています。
・例えば、「同期」は香坂さんを含め3人しかいなくて、全員の平均対応時間が23分である場合と、香坂さんは平均10分なのに残り二人が平均34分である場合とでは、受ける印象が変わってくるかなと思いました(それほど大きな問題ではないですが)。
・このように香坂さんの職場のことを読み手は知らない(香坂さんにとっては当然のことを前提として読み手に共有していない)ので、それを自明のこととして記述を進めてしまうと読み手は混乱したり、イメージがしにくくなったりします。
・そのあたりも今後注意を払いながら記述できるといいですね。
・平均時間を「職場単位」で出しても良いかと思ったのですが、いかがでしょうか。
・コールセンターには今オペレーターが仮に100人いて、100人の平均時間も23分なのか、あるいは100人の平均は20分だが、香坂さんを含む「同期」たちだけその平均を下回る23分なのか、それによっても問題の所在が変わるように感じました。
・実際にESに書くかはさておき、目標17分に対して、香坂さんを含めた「同期」の平均は23分で、職場全体のオペレーターの平均対応時間はどれくらいなのか、それによって、数値(ここでは平均対応時間)の持つ意味が変わってきます。
・例えば、職場全体の平均対応時間は20分で、香坂さんを含む同期たちの平均対応時間23分がそれを下回るのであれば、職場全体の平均対応時間20分を引き合いに出したほうが、より効果的な数値の使い方になると考えられます。
・その理由は、目標17分よりも職場全体の平均対応時間は下回り(20分)、同期たちはさらにそれを下回る(23分)が、最終的な成果として13分まで改善されたので、同期たちの平均対応時間だけではなく、職場全体の平均対応時間の底上げにも貢献しているからです。
・逆に、職場全体の平均対応時間が目標17分を上回る15分だったとしたら、同期たちの平均対応時間23分はその平均を大きく下げている原因となっているので、改善されることで、職場全体の平均対応時間の底上げにやはりつながります。
・一方、職場全体の平均対応時間が同期たちの平均対応時間23分を下回る場合(例えば、30分など)、職場の平均時間よりも同期たち平均時間が既に短いので、この場合は現状の記述通り、単に会社目標の17分を下回っていることが問題であるとして良いかもしれません。
・いずれにせよ、自分が提示する数値はどのような意味を持ち、それは他の相対的な数値情報との関係の中でどうすればより効果的に見せられるのかを検討しながら記述できるといいですね。
・修正の方針ですが、まずは全体目標が17分であることを示し、次に「全体の現状」として職場全体の平均時間(例えば20分)を提示し、それと比較して自分を含む同期〇名の平均時間は23分で、これは目標にも全体平均にも届いていないので、足を引っ張る原因になっているという論の進め方はいかがでしょうか。
・あるいは、職場全体の平均時間(例えば28分)は同期たちの平均時間23分を下回るので、まずは自分たちが対応時間の短縮を目指し、全体の平均時間の短縮に貢献しようと考えたという流れも考えられるかと思います。
・このように書くと、香坂さんを含む同期の平均時間の短縮が組織全体への貢献になることがより明確になるのではないでしょうか。
・実際の対応時間はどうであったのかわからないので何とも言えませんが、そのあたりの事実関係も再度整理した上で記述ができるとさらに良くなるかと思います。
⑤原因分析
・上で記述した目標と現状との乖離(=問題)が生じる原因は何であると分析したか(そのように分析する根拠に基づきながら記述する)
突然の事故で焦りから怒鳴るお客様からのニーズを把握することと
(してほしいことではなく、とりあえずパニックになり電話をかけ、焦りを話す人が多い)
聴取した内容の入力作業に時間が掛かっていること
ポイント④【日本語の問題(言いたいことを的確な日本語で言い表せているか)】(要修正度★)
・1つ目の「突然の事故で焦りから怒鳴るお客様からのニーズを把握すること」は原因ではないような気がしました。これは「取り組まなければならない内容」(=課題)ですかね。
・厳密に言えば、問題(=対応時間が長引いていること)が生じている原因は「お客様は突然の事故による焦りで気が動転して怒鳴るため、事故の情報を正確に聴取することが難しい(から対応時間がかかる)」ではないでしょうか。
・もう少し端的に言うと、「気が動転した顧客から正確な事故情報を聴取することの困難性」、さらに簡潔に言えば「聴取の非効率性」のようなものが直接的な原因だと思いました。
・香坂さんが言いたかったことはこれだと思うので論理関係の問題ではなく、単に日本語の問題ですね(「原因≠ニーズを把握すること」)。
・2つ目の「聴取した内容の入力作業に時間が掛かっていること」というのは正確に原因を言い表せていると思います。
ポイント⑤【定量的情報の提示】(要修正度★)
・現状の記述において、「平均対応時間が長い」という問題が生じる原因を2つ特定したのは良いと思います。
・実際のESに書くかどうかはさておき、欲を言えば、もう少し具体的に記述できるのではないかと思いました。
・具体性を持たすには「定量的な情報」(数値情報)を提示すると効果的です。
・難しいかもしれませんが、例えば、「原因1の気が動転したお客様の場合、通常の冷静なお客様に対して、対応時間が5分長くなってしまう。これは電話開始時にお客様の気持ちを落ち着かせるための声掛けなどに時間を要してしまうからだ。」などの情報がわかると、その詳細がイメージしやすくなります。
・また、原因2に関しては、「聴取内容の入力項目は全部で20個ある。このうち、単に選択式の入力項目は5つしかなく、残り15個の入力項目はすべてお客様からヒアリングした内容を記述形式で入力する。その15個の項目について、気が動転したお客様にヒアリングしながら入力するのに約11分かかる。つまり、平均対応時間23分のうち約半分の時間がこれに費やされている。そのため、ここが特に根本的な対応時間の長期化の原因(=ボトルネック)になっている。」などと具体化できると思います。
・このように具体化することによって、平均対応時間が23分でこれは目標の17分より遅いとだけ述べるよりも、何にどれくらいの時間がかかることによって対応時間が遅くなっているのか、原因の詳細がより明確になると思いました。
・ただし、これは実際のESには字数の関係から収めることはできないと思います。実際に書くかどうかはさておき、同じ文章でもこのように記述することで、香坂さんのアルバイトの状況がより鮮明に相手に伝えられることができるということだけ覚えておいてくださいね。
ポイント⑥【根拠に基づく原因分析】(良い点)
・それから、ES本文のほうには書かれていましたが、このような原因を特定するにあたり、自身の対応ログを分析したというのは良いと思いました。
・原因を分析する際には主観ではなく、何らかの調査(ここでは対応履歴などの分析)に基づいていることによって、より客観性を持たせられています。
・自身のログだけを分析したようですが、もし同期のログも分析したのであれば、それは記述した方がいいのかなという気もいたしました。
⑥解決策の立案
・上で特定した原因を解決できる方策や取り組み事項としてどのようなことが有効であると考えたのか(そのように考える根拠に基づきながら記述する)
・些細なことも含め、実際に立案して取り組んだ解決策をすべて列挙する。
①先輩社員の応対を聞き、受容、共感を表す言葉など有効なフレーズをメモにまとめ、出勤前や休息時間に見て復習を行った。(短い電話であっても、お客様の焦りの共感を表すことができ、満足度を下げない)
・これは上記の原因1(聴取の困難性)に対応する解決策ですかね。
②お客様からのよくある質問集をつくり、焦りから何を話せばいいのかわからなくなっているお客様へ、私から2択の逆質問を行い、ニーズを迅速に把握(2択にすることで、話がまとまらなくなっているお客様も答えることができる)
ポイント⑥【類似した内容の統合による冗長性の回避】(要修正度★)
・これも上記の原因1(聴取の困難性)に対応する解決策ですかね。
・解決策①と②は、行った内容自体は異なりますが、原因1の「聴取の困難性による非効率な対応」をなくすための解決策という点では同じなので、うまく1つにまとめられると字数の節約にもなるように思いました。
・400字に凝縮する過程でどのような言い方ができるか、ご自分でも一度検討してみてください。
ポイント⑦【水平展開】(要修正度★)
・ES本文では記述されていますが、香坂さんの取り組みは同期の方にも水平展開していますよね。
・「定型文」という表現でも良いのですが、大げさかもしれませんが「マニュアル化して共有した」とした方がイメージもしやすいですし、取り組みの効果がアピールできます。
ポイント⑧【問題と解決策の対応関係】(要修正度★)
・今、この設問の解決策には香坂さん自身の取り組みだけが詳述されています。
・上述の問題設定では「自分を含め同期の所要時間が23分と遅い」となっているので、ここでの解決策は「自分だけの改善の取り組み」だけではなく、「同期たちの所要時間の改善のための取り組み」も書かれていた方が問題と正確に対応すると思います(ES本文ではそのように書かれていますね)。
ポイント⑨【明確な書き方】(要修正度★)
・それほど大きな問題ではないですが、ここまで読んで初めて、本文に書かれている「1本の受電から聴取内容を本部へ送信完了するまで」が切電後の作業も含めて「23分かかっていた」ということが明確にわかりました。
・これは単に私の思い込みという面もあるのですが、「23分かかっている」というのは「電話対応をしながら入力作業をして、切電するまで」を指していると思っていました。
・もう少し明確な言い方としては、「受電後、お客様から事故情報をヒアリングし、切電後の入力作業までの所要時間」などでしょうか。
・これも実際にESに書く字数はないかもしれないので、参考程度にお考えください。
③頻度の高い言葉を定型文として事前に用意することで、切電後の入カ作業の短縮を実現した。
(メモパッドに事前に貼り付けておき、コピー&ペーストで時間を短縮、またユーザー辞書ツール機能を使い、オリジナルの単語登録を行った。 EX)ち と打ち変換を押すだけで聴取と入力されるようにした など)
・これは上記の原因2(作業の煩雑性)に対応する解決策ですかね。
ポイント⑩【水平展開】(要修正度★)
・こちらも水平展開的に共有しているので、「マニュアル化して共有した」のように言っても良いかと思いましたがいかがでしょうか。
⑦解決策の実践(ここを一番「具体的に」書く)
・上で立案した解決策をどのように取り組んだのか(周囲を巻き込んだ、仲間と協力した要素があればなおよい)
・上で列挙した解決策それぞれについて、「具体的に」どのように取り組んだのか、どのように頑張ったのかを詳述する。
生産性が高い、長年勤務している先輩や社員の方にアドバイスを貰うようにした
同じように、生産性で悩む同期に、こんな方法いいかもしれないと伝え、共有した。
(自身は、リーダータイプではない為、わかりやすく周りを引っ張るよりかは、提案を行い、下から支えるイメージ)
⑧結果と効果検証(可能であれば数値で示す)
・上の取り組みを行った結果、どのような成果を得たのか(売り上げ50万円増加)
・当初設定した目標はどれくらい達成できたのか、できなかったのか
・(実際にはESには書かないですが)達成や未達成にかかわらず、そのような結果となった成功要因や課題は何であると分析したか。
自身の生産性は13分代まで縮まり、目標達成(正直、慣れの部分も多い)
同期の平均時間も16分まで縮まり、目標を上回った
なにが原因か分析したことで、問題点を見つけることができた
問題点を見つけられたため、その問題に特化したアプローチ方法を考えることができた
ポイント⑪【具体化】(要修正度★)
・実際に書くかはさておき、ここも原因分析の設問と同様に、もう少し具体化できると良いかと思いました。
・例えば、解決策①および②の「有効フレーズ集の作成」や「2択質問方式の導入」などは、「取り組み前の所要時間10分から3分短縮でき、平均7分で対応が完了するようになった」などと書くと、どの程度の効果があったのかがより分かりやすくなります。(解決策③も同様に具体化できるといいですね。)
⑨身に着けられた力(強み=自己PRの設問で書くような内容)※「~と感じた」のように感想文にならないように注意する
・一連の経験から「身に着けられた力」は何か(「~を学んだ」とならないように注意してください)
どんな問題もまずは、自分事としてとらえ、解決しようと取り組む力
問題の分析を行い、周りの力を借りながら解決方法を導くこと
ポイント⑫【的確な日本語の表現】(要修正度★)
・勿論、このままでもいいと思いますが、「問題の原因分析を行った上で立案した解決策を実行し、それを仲間と共有することでチーム全体の目標達成を遂行する力」のような印象を本文から受けました。
・私の代案は冗長すぎるので、検討が必要ですが、「チーム全体の目標達成に向けて解決策を実行する」というニュアンスの書き方を少し取り入れてみるのはいかがでしょうか。
・ここに関しては香坂さん自身が納得して、自分らしく自信を持って面接で語れると思う強みを書いてほしいので、あくまで参考までに。無理に私の案を取り入れる必要は全くありません。
⑩企業での汎用性(採用担当者があなたを採用するメリット)
・その「身に着けられた力」は入社後どのように役に立つのか、以下の観点から書いてください。(志望する会社が未定の場合は仮に設定してください。インターンシップやOB訪問の経験があるのならそこでの実体験や見聞に基づいて書いてください)
(a)あなたの志望する会社の事業や業務ではどのような問題や課題が想定されるのか
(b)そのような問題や課題を解決する際にはどのような解決策や方策、能力やスキルなどが必要であると予想されるのか
(c)上述のあなたの力(強み)はそのような問題解決にどのように活かせるのか、どのように貢献・寄与できると考えられるのか
(a) 急な状況変更、多数の人と関わる必要性
(b) 柔軟な対応力、コミュニケーションスキル、リーダーシップ
(c) 同じ電話は1本もなく、毎回違う人から違う旨の電話がかかる→柔軟な対応力
先輩や社員の方に積極的に話しかけに行き、アドバイスをもらい、それを同期で共有→コミュニケーションスキル
ポイント⑬【ガクチカ本文から読み取れる強みと貴社に貢献できる強みの乖離】(要修正度★)
・(a)~(c)までの流れだけを見れば確かにその通りだと思いましたが、これではせっかくの上述のエピソードから身に着けた力と関連付けられていないので、一貫性がなくなってしまいます。
・つまり、ガクチカでは結論として「問題の分析を行い、周りの力を借りながら解決方法を導き、それを実行する力」が得られたことを書いているのに、それが(a)~(c)に取り入れられていないですね。
・現状の記述では、「問題の分析を行い、周りの力を借りながら解決方法を導き、それを実行する力」のようなものが強みとして書かれているので、(c)にそれが来るように、(a)や(b)を逆算的に再考してみてはいかがでしょうか。
・例えば、「貴社の○○事業の○○業務では、○○であるから○○という問題が想定される。その際、自身の問題分析力と解決策の実行力(言い方は要検討)を活かし、その解決に貢献できる。」のように言えれば、ガクチカ本文との一貫性が保たれますよね。
・実際に香坂さんが志望する企業と希望する職種ではどのような問題が想定され、どのようなスキルが必要とされているのか、今一度企業研究を深められるといいですね。OB訪問での見聞なども参考にしてみてください。
【総評】
<良い点>
・具体的に記述ができています(勿論、まだ具体化できる箇所もあります)。
・構成が良いですね。目標に対して得られた成果がどうであったのか、問題の原因について根拠に基づいて分析を行ったり、取り組み事項をチームに共有したりとガクチカの構成としては非常に良いと思います。
<問題点と修正の方針>
・大きな問題ではないですが、数ヶ所、日本語の表現が香坂さんの伝えたい内容を的確に言い表せているのか分かりにくい箇所があります。検討してみてください。
・読み手はコールセンター業務を経験していないので、イメージしにくい箇所もあります。自分にとっては当然のことですが、知らない人にとってはイメージが難しいので、今後面接で話すときは特にそのあたりは配慮するようにできるといいですね。
<宿題>
・以下のフォーマットに対する私からのコメントを読んでいただき、ご自分で再考した上で、400字に書き直してみてください。
4.添削(2回目)
【本文】
香坂さん「ガクチカ」(400字)(添削2回目)
私が学生時代頑張ったことは、損害保険のコールセンター業務で、顧客対応の生産性を1.5倍に向上させたことだ。自動車事故の電話を受け、顧客ニーズに答えることが業務目的であり、1本の電話を受け、内容を入力し送信するまでを17分で行うことが会社目標だ。しかし私を含めた同期13人の平均時間は23分であった。改善の為過去のログを分析し、2つの問題点を発見した。気が動転した顧客から情報を聴取することの困難性、聴取内容の入力作業だ。そこで、私から2択の逆質問を行いニーズを迅速に把握した。更に頻度の高い入力文言を事前に用意し、切電後は文言を貼り付け、入カ作業の短縮を実現した。文言はマニュアル化し同期内で共有した結果、自身の平均時間が13分台、同期全体の平均時間が16分台に縮まり生産性が向上し、お客様を待たせることなくニーズに答えられるようになった。この経験を通して問題分析と解決策の実行力が身についた。(397字)
【総評】(添削2回目)
・原因分析が緻密にできているのが良いですね。
・また、取り組み策が水平展開的であることも好印象です。
・問題点や取り組み事項を詰め込み過ぎた結果、1つあたりの記述が薄くなり抽象的になっています。
・構成自体を大幅に変えることにはなりますが、代案を提示しておきました(後述)。
私が学生時代頑張ったことは、損害保険のコールセンター業務で、顧客対応の生産性を1.5倍に向上させたことだ。
ポイント①【字数節約】(要修正度★)
・ガクチカなので、「私が学生時代頑張ったことは、」と主語を述べずとも十分わかります。ここは節約しましょう。(添削者や採用担当者によってはこれを明記することを好む人もいます。)
・「損害保険のコールセンター業務」→「自動車保険のコールセンター業務」はいかがですか?
・1字増えてしまいますが、結果的に後続する文の「自動車事故」の「自動車」を削除できるので、合計2字節約できることになります。
・「~させたことだ」→「~させた」
・以上をふまえると、「自動車保険のコールセンターでの顧客対応業務で生産性を1.5倍に向上させた。」はいかがですか。
・一文が少し長くなりますが、51字→35字まで減らせます。
ポイント②【全体像の明確化】(修正任意)
・既に冒頭の一文が長くなってしまっていますし、現状では字数がひっ迫しているので、修正は任意ですが、ガクチカの全体像がより明確になる一文にするとより良くなると思いました。
・「どのように」力を入れたのか、その要素があるとより全体像を明確に示せるように思いました。
・例えば、「自動車保険のコールセンターでの顧客対応業務で、マニュアル作成とその水平展開に尽力し、生産性を1.5倍に向上させた。」など
・香坂さんの場合は特に何に尽力した(どんな取り組み事項を頑張った)のか、それを端的にまとめた文言を追記できるといいですね。
・私が挙げた例以外にも、色々な取り組みをしていましたよね。
・冒頭の一言で何か「どのように」頑張ったのかがわかる要素(≒解決策の実行の言い換え)があると、読み手は冒頭を読んだだけでガクチカの全体像が掴めるようになる気がします。
自動車事故の電話を受け、顧客ニーズに答えることが業務目的であり、1本の電話を受け、内容を入力し送信するまでを17分で行うことが会社目標だ。しかし私を含めた同期13人の平均時間は23分であった。
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