【保存版!】ガクチカの構造

ガクチカ

「ガクチカ」の構造(貢献性・人間性)

面接官が知りたいことの一つが【プロセス性】だと思います。

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過去に「どのようなプロセスで問題を解決したのか」を面接で伝えることによって入社後も「同じプロセスで解決してくれるのではないか」と期待します。

この【再現性】を感じてもらうことが、みなさんを採用するメリットを感じてもらうことにも繋がります。

しかし【プロセス性】の見えないガクチカであれば、当然入社後の活躍がイメージしにくくなります。

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つまり、ガクチカにおいては【プロセス】をしっかり記述することが大切になってきます。

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では、ガクチカの全体構造を見ていきましょう。

しばもんは、ガクチカの全体構造をこのように捉えています。

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前半が「思考」のプロセスを、後半が「行動」のプロセスを表しています。

繰り返しになりますが、「ガクチカ」では、「学生時代に何を、どのように頑張って取り組んだのか」が問われます。

採用担当者はこの問いを通して、皆さんが「物事(ここではガクチカの活動)に対して、どのように思考し、どのように行動し、問題を解決して成果を得るのか」という【プロセス性】をイメージします。

また、時系列的には「強みを<過去>において、どのように身につけたのか/発揮したのか」を説明します。つまり、あなたの「did」を説明します。

このようなガクチカを考えるうえでは、次の9段階の構成を意識すると良いかと思います。

0.結論(ガクチカの全体像を表す冒頭の一文)
1.目標設定(あるべき理想の状態)
2.現状把握
3.問題の明確化(目標と現状の乖離)
4.原因分析(ボトルネックの特定)
5.解決策立案(最有効な解決策の選定)
6.解決策実行(+仲間との協力要素/周囲の巻き込み要素)
7.成果・効果検証(目標に対する達成度)
8.身につけた力/発揮された力(≒企業があなたを採用するメリット)

まずは「0.結論」です。

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冒頭の一文はガクチカの「顔」となる重要なものです。

ESでも、面接でも、最初の一文(一言)で端的かつ全体像がイメージできるようにしておくと良いかと思います。

例えば「カフェのアルバイトだ」「サッカー部での練習だ」といった冒頭はシンプルでわかりやすいですが、続きを読まないと読み手は全体像を掴むことができません。

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全体像を端的に示すために、次の5つの要素を含めるのはいかがでしょうか。すべてを詰め込む必要はありませんが、ご自身のガクチカに合わせて適宜参考にしてみてください。

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①どこで?(何の活動か?/活動の場所は?)

・これは必須項目ですね。結論の中でも核となる部分です。

②どんな役割で?

・必ずしもすべての人が何らかの役割を持っていたわけではないと思います。

・明確な役割を持っていた方は伝えましょう。

③何を?

・その活動において具体的に何に取り組んだのかを簡潔に言えると良いですね。

④どのように?

・「どのように頑張ったのか」は皆さんがガクチカを通して行った「自分なりの努力」です。

⑤どんな結果?

・自分の努力によって成し遂げた成果を簡潔に示しましょう。

冗長になり過ぎるのも良くないですが、簡潔に言えるのであれば、上記の5つの要素をうまく取り入れて冒頭で述べられると良いですね。

そうすれば、採用担当者は皆さんのガクチカの全体像がイメージしやすくなり、そのあとの詳細な説明でも情報が処理しやすくなると思います。

また、全体像を先に提示することで時間的にも情報処理的にも読み手の負担を減らすことに繋がります。

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※面接の場合は、まず「野球部の活動です。」のように「何を」を一言で言い切り、「部長として周囲を巻き込みながら大会優勝に向けた練習方法の改善を取り組み、全国大会3位を果たしました。」のように続けても良いかもしれませんね。

ではまず抽象的なガクチカの実例を見てみましょう。

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このように、抽象的なガクチカの場合は「何のバイトなのか」「具体的に何をしたのか」「得られた結果は何なのか」がわからず、続きを読まないとガクチカの全体像が把握できなくなってしまいます。

では次に、具体的なガクチカの実例を見てみましょう。

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「どこで」「何を」「どのように」「得られた結果」が明確となり、一文を読んだだけでガクチカの全体像を把握することが可能になります。

冒頭の一文の後に、活動を始めたきっかけや想いなどの【動機】を端的に述べられると、尚よいと思います。

ただし、動機が長くなってしまわないように注意しましょう。

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文字だけの「ES」よりも、声・表情・雰囲気を伝えることができる「面接」で熱い想いを伝えるとよいと思います。


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続いて、ガクチカの前半の構成です。

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ガクチカの9段階の構成のうち、「1.目標設定」、「2.現状把握」、「3.問題点の明確化」が含まれます。

この前半部分がしっかり伝えられないために、次の2つの問題に陥りがちな学生さんが多く見られます。

(a)効果検証ができていない

この3つが論理的に述べられていない場合、ガクチカの後半の「7.成果・効果検証」の段階で、「当初掲げていた目標に対して、取り組みの効果はどれくらいなのか(≒達成率)」が正確に判断できなくなります。

(b)特定した原因や立案した解決策の妥当性が低い

また、「3.問題点の明確化」ができていない場合、続く「4.原因分析」や「5.解決策立案」において、その原因は本当に問題を発生させている原因なのか、その解決策によって本当に問題を解決することができそうなのか、やはり判断がつかなくなってしまいます。

前半部分はガクチカの土台となる背景や前提になります。丁寧に整理しましょう。ポイントは3つ(①目標設定、②現状把握、③問題点の明確化)です。

①目標設定(=あるべき姿/理想の状態の仮定)

・活動に際してどのような目標を立てていたのか(可能であれば数値で示す)

競技性・商売性のある活動(スポーツ・販売のアルバイト)などであれば、順位や販売金額・販売量などを数値で示すことができます。

一方、明確な目標がある活動ではない場合、数値で目標を示すのは難しいです。
その場合は、どのような状態であれば、「本来のあるべき姿」「理想の状態」と言えるのか考えてみましょう。

例えば、吹奏楽を頑張っていた学生さんの目標が「演奏会でのソロパートでの成功」だったとします。

こういった数値で表せない目標の場合「音を外さない」「テンポが遅れない」「ブレスなしで吹き切る」など、効果検証が可能な成功条件をご自分で定義できるとよいと思います。

このように、明確に数値で示せる目標ではなくても、ご自身で「あるべき姿」「理想の状態」を仮定してみるのが良いかと思います。(実際にその活動に取り組んでいた際も、潜在的にその理想の状況に向かって活動を行っていたはずです。)

②現状把握

・その活動において、自分が置かれていた状況はどうであったのか(事実を正確に捉える)

最初から①で挙げた「目標」を達成している状態の人はまずいないはずです。

自分が今どのような状態にあるのか正確に言語化できるようにしましょう。

なぜ現状の把握が必要かと言うと、目標に対して、自分の今の立ち位置を知ることができなければ、あとどれくらい頑張ったら良いのか「逆算ができない」からです。

志望校の大学の合格のボーダーラインが得点率80%だとして、今の自分の模試の結果がわからなければ、あとどれくらい成績を上げたら良いかわかりませんよね。

目標までの逆算をするために、現状を正確に知る必要があります。

ただし、明確な目標がない活動の場合は、「理想の状態」や「あるべき姿」を仮定するのがよいと思います。

例えば、プールの監視員のアルバイトをしている学生さんがいましたが、特に業務での明確な数値目標というのはありませんでした。

しかし、プールの監視員がなぜいるのか、その存在意義を考えると、「プールを守る」ためでしょう。つまり、「事故によるけが人や溺死者を出さない状態」こそが「理想の状態」と捉えられます。

また、現状から理想の状態を逆算することもできます。

例えば「アルバイト先は外国人観光客の多い地域にある」「それにもかかわらず外国人観光客の来客は少ない」というように現状を把握します。

そこで「外国人観光客の来客が増えれば売上増加に繋がるのではないか」と仮説を立て、そこから逆算して「外国人観光客の集客ができている状態を目指す」という目標を設定します。

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このように組織目標がない場合も、現状から逆算することで理想の状態を見つけるといった方法もあります。

③問題点の明確化

・「問題」とは「目標」(あるべき姿/理想の状態)と「現状」の「乖離」によって生じている事態のこと

目標に対して現状の自分はどれくらい足りていないのか、その乖離こそが「問題」です。

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目標と現状が数値で示せる場合は、目標1位に対して現状は6位のように、5位分の乖離があることがわかります。

この乖離(ギャップ)を明確にしておくことで、ご自身のガクチカがどんな問題に取り組むエピソードなのか採用担当者にイメージされやすくなります。

この問題の明確化が不十分だと、後程の解決策の実施によって果たして問題が解決されたのかどうか判断がつきにくくなります。

例えば「何人もの新人がやめてしまい」といった抽象的なガクチカの場合、目標が書かれていないため成果を検証することが難しくなってきます。

こういった場合には「シフトAに10人いる」といった理想の状態を仮定します。それに対して現状は「退職者が多くシフトAに6人」しかいません。

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このように目標と現状を数値で示すことで「乖離=問題」を明確にすることができます。

次に具体的なガクチカも見てみましょう。

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このガクチカの「社内目標は17分以内」「平均対応時間は23分」の部分のように、目標と現状の乖離が数値で明確になっているとよいと思います。

次はガクチカの中盤の構成です。

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【保存版!】ガクチカの構造(約11,200字)|しばもん@ES添削犬
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