<この記事のメリット>
しばもんのTwitterでのツイートをカテゴリーごとに体系化してまとめた記事です。Twitter上で遡りながら、必要な情報を探す手間が省けますので、効率的にESの重要なポイントが理解できるようになると思います。
また、しばもんのこれまでの添削事例もnoteで公開中です。ラインナップは以下のページからご覧ください。
では、早速、まずはESの全体像から押さえていきましょう!
「ESの全体像」~ガクチカ=過去 ⇒ 自己PR=現在 ⇒ 志望動機=未来
考え方は様々ですが、しばもんはES全体を次のように捉えています。
ガクチカ=<過去>の自分は何をしたのか(did)
自己PR=<現在>の自分は何ができるのか(can)
志望動機=<未来>の自分は何がしたいのか/企業でどう役に立つのか(will)
もう少し詳しく言うと、次のようになります。
ガクチカ:【過去】の経験において強みをどのように身に着けたのか⇒<プロセス性の説明>
自己PR:【現在】はその力を別の活動で再現できるのか⇒<再現性の証明>
志望動機:【未来】ではその力を企業でどのように活かせるのか⇒<貢献性の提示>
ES全体を上記の時系列に沿って一貫性をもって仕上げるのが「しばもんスタイル」です。下図参照。
まずはガクチカです。
ガクチカでは「過去」において、みなさんが、何を、どのように、取り組んだのか、その「プロセス」が見られています。
ここでの「プロセス」とは、「思考のプロセス」や「行動のプロセス」であり、いずれも論理的なプロセスである必要があります。
続いて、自己PRです。
ガクチカで書かれた一連のプロセスから得られた強みとなる力が、そのエピソードでしか発揮できない力では困ります。
なぜなら企業としては、入社後もその強みとなる力を繰り返し発揮してほしいからです。
では、入社後も繰り返し発揮されることを論理的に示すにはどうしたらよいでしょうか。
そのためには「再現性の提示」を行う必要があります。
強みとなる力が、ガクチカで書かれたエピソード以外のエピソードでも発揮されたことを示せば、(少なくとも2つのエピソードでその強みが発揮されたことになり、)「再現性があること」が感じられます。
自己PRの設問では、ガクチカで身につけた力が、現在も別の場所(=別のエピソード)でも活かされていることを記述し、その力の「再現性の高さ」を示しましょう。
最後に志望動機です。
企業はみなさんにどのような力があるのか、それを会社でどう役に立ってくれるのか、それが一番聞きたいと思います。
どのような力を学生時代に身につけたのかはガクチカの設問で示し、その力が他の場所(=エピソード)でも再現されたことは自己PRの設問で示しましょう。
その後、志望動機の設問では、そのような再現性の高い力が、企業ではどのように役に立つのか、具体的に示しましょう。
加えて、次の手順で記述を進めます。
・自分が将来実現したいことが、その企業のフィールドで実現できる可能性が高い(=貴社でなければならない理由)
・それを実現する際にはどんな問題が予想されるのか(=企業の課題)
・その解決には自身の強みである力が活かせるのか(=入社後の再現性)
上記の3点を示せば、貴社がみなさんを採用するメリットを論理的に証明できると思います。
以上、ガクチカ⇒自己PR⇒志望動機の順で詳細を見てきました。
大切なことは、「ガクチカ→自己PR→志望動機の一貫性」です。
自己PRが決まれば、それを立証できるガクチカの書き方を考えましょう。
ガクチカは過去、自己PRは現在、志望動機は未来です。
過去に何をし、その経験から今は何ができるのか、未来ではその能力をどう活かせるのか
その流れさえ一貫していれば、どんな力でもどんなエピソードでも論理的に記述できると思います。
みなさんが自分らしいと思えるエピソードと自己PRを一貫して記述できるようにしましょう。
企業との交点を示す!
この図を参照しながら、ESや面接で伝えるべきことを順番に考えてみましょう。
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
以下の流れに沿って、皆さん自身なら何と答えるか考えてみてください。(※思考のトレーニングなので面接では実際にこのような問答はありません)
①学生:貴社は自分を採用するメリットがあります。
貴社:なんで弊社はあなたを採用するメリットがあると言い切れるの?
②学生:私は貴社の事業において利益を生み出せる(問題を解決できる)からです。
貴社:なんであなたは弊社の問題を解決できるの?
③学生:私には貴社で想定される問題を解決できる「強み(=自己PRの力)」があるからです。
貴社:なんでその強みは弊社の問題を解決する際に活かせると言えるの?
④学生:私には過去(ガクチカの設問)において、貴社が抱える問題と類似する問題に直面し、それを自身の強みを発揮することで解決した経験があるからです。それを同じように貴社で発揮できると思います。
貴社:その強みが弊社でも同じように発揮できる保証はあるの?
⑤学生:私の強みには「再現性」があるからです。
貴社:なんであなたの強みには「再現性」があると言えるの?
⑥学生:ガクチカの設問とは異なるエピソード(自己PRの設問)の中で類似する問題に直面し、それを自身の強みを活かして解決した経験があるります。したがって、少なくとも2つの異なるエピソードで発揮された強みなので、未来(入社後)においても、同じように強みを発揮できる可能性は十分に高い(=再現性/汎用性/応用性が高い)と考えられるからです。
貴社:じゃあ、どうして弊社なの?その強みは他社でも活かせるよね?
⑦学生:勿論、他社でも活かせる強みだと思います。私には○○を実現したいという夢/目標があり、それを実現できるフィールドが貴社にあるからです。
貴社:なぜそのような夢/目標を実現したいと思ったの?
⑧学生:私には○○という経験/実体験があり、それに起因して○○を成し遂げたいと思うようになりました。それを成し遂げる際には、貴社の○○事業の製品/サービスが有効であると考えたからです。
いかがでしょうか。学生と企業の交点が見えて来たでしょうか。
学生:「自分が実現したいと思う夢/目標は貴社の事業フィールドであれば実現の可能性が高い」と述べます。
これに対して、
貴社:「学生が成し遂げたいことが実現した場合、自社の問題が1つ解決されたことになる(=利益につながる)」と感じます。
ここで、学生の「will(夢の実現)」と企業の「want(利益の実現)」の一致 =メリットのマッチング(WIN-WIN)が生じます。
また、
学生:「ガクチカ設問のエピソードで身につけ、自己PR設問で再現された強みは、同じように入社後も再現されて企業への貢献となり、上記の実現可能性が高い」ことを主張します。
貴社:「論理的に強みの再現性が提示され、入社後も活躍してくれる」という具体的なイメージが湧き、「実現可能性の高さ」に信憑性を感じます。
ここで、学生の「can(強み)」と企業の「want(欲しい人材/能力)」が一致 =メリットのマッチング(WIN-WIN)が生じます。
このように、皆さんと企業の交点をしっかり見定めましょう。
内定までの逆算
上記の図のように、ES(特にガクチカ)作成はみなさんの就活の基盤となるタスクです。
大学1~2年生のうちから少しずつ書き進められるものでもあるので、しっかり素材(書くネタ)を集めておきましょう。
すべての「問い」は「入社後どう役に立つのか」に収束する
ESも面接もほぼ全ての問いは結局【入社後どう役に立つのか】に収束すると思います。
一見関係ないような質問に対してもいかに入社後の活躍を具体的にイメージさせられるか【関連付けて】いくのかが大切だと思います。
素直に【聞かれたことに文字通り答える】方が多いですが、企業で役立てることを【証明】するつもりで臨みましょう。
その際、常に人事(面接官)の視点を意識する必要があります。
採用担当者は自分の会社で役に立つ人材が欲しいわけですから、最終的に、「あなたの会社は私を採用することでこんなメリットがありますよ」ということをESで書く必要があります。もしくはそう思わせるような伏線を張る必要があります。
ESでも面接でも聞かれることは結局以下の3つに収束すると思います。
①ガクチカ、②自己PR、③志望動機
聞かれ方は違っても結局聞いていることは上記の3つに収束されます。
だからこそ、上記の3つの要素は関連している必要があります。
繰り返しになりますが、
「ガクチカ」の経験(=過去のあなた)を聞き、
そこから何ができるようになったかを「自己PR」(=現在のあなた)で聞き、
その能力を活かして、会社ではどんなことをやりたいか、どんな風に貢献できるかを「志望動機」(=未来のあなた)で聞きます。
ぜひ、この視点を「基本」としてESや面接対策に取り組んでほしいです。
さらに、ESでも面接でも大切なことですが、設問(質問)の答えを一言(簡潔で明確に)で言い切ることをお忘れないように。つまり、「結論」から書く(話す)のです。
しばもんがESで意識した5箇条
①簡潔さ、わかりやすさ、論理性
②説得力のある具体的な経験に基づいて考えられているか
③自分は「何がやりたい」のか、「何ができる」のか
④設問間の一貫性(伏線を張る)
④貴社が自分を採用するメリット、どのように企業の利益に貢献できるか
⑤貴社への志望度の高さ
ESは、ガクチカで成功体験の課題設定やアプローチ方法を言語化し、自己PRでその再現性を示し、志望動機で入社後も強みが再現されるので貢献できるということを採用者に伝える場です。成功を分解・分析することがESの内容を深めることにつながると思います。
ES全体の一貫性/ストーリーを構築しましょう
ESは全設問で一つの物語を構成します。
各設問が一話完結になるのではなく、各回(各設問)が伏線を張り合い、一番見せたい最終回(あなたの強み=貴社があなたを採用するメリット)に向けて収束していく、そのようなイメージを持って仕上げられると良いですね。
添削していると、サザエさんタイプ(各話完結=設問間の関連性ゼロ)のESが多いです。
一貫性を持たせるためには、上述の「ガクチカ(過去/did/プロセス性の説明)」⇒「自己PR(現在/can/再現性の証明)」⇒「志望動機(未来/will/貢献性の提示)」という流れを意識してくださいね。
特に、「関連する」と「関連づける」の違いを意識してみてください。
志望企業の事業と自分の「関連する」ことを重視するESが多いです。
例えば、御社(オリエンタルランド)と私(ディズニー好き)の共通点、それは「ミッキー」であるというような思考では内定は遠いです。そのほか、「映画会社のESに映画イベント実施のガクチカ」などです。
むしろ、御社の事業と無関係のガクチカでも、御社の業務で想定される問題・ニーズに対して自分の経験や強みはどのように応用でき、貢献できるのか、「関連づける」のが重要だと思います。
そのほかに注意してほしいこととしては、ESは「一次選考通過」のためのものではないということです。
面接で、頭が真っ白になるほど緊張しても、要点を端的に、論理的に、一貫して、わかりやすく面接官に伝えるための、台本や原稿を作るという気持ちで洗練させましょう。
良いES(文章)が書けなければ、面接で上手に話すのは難しいと思います。
自分の思う強みと他者の受ける印象の乖離
添削していて、ESに書かれている皆さんの自己PRの能力と、私が皆さんのESから受けるあなたの持つ能力の印象が、違うことがよくあります。
原因は2つあります。
原因①:あなたの思う強みを、その通りに他者に伝わるような書き方ができていない。
原因②:あなたの思う強みと、他者が思うあなたの強みが、そもそも一致していない。
おそらく上記のどちらかです。
前者の場合は、言語面の問題ですので、書き方を洗練させていく必要があります。添削してもらうのも効果的だと思います。
後者は、根本的な問題ですので、要改善です。まずは自己分析をしっかり行い(場合によっては他己分析も行い)、自分の強みを明確化しましょう。
【★超重要】「自分の当たり前」は「他人の当たり前」ではない
ESを添削していて、10人中9人にコメントすることはこれです。
「自分にとって当然であることを、それを知らない他者に前提として強要している」
なかなか自分では気づくのが難しいことなので、他者にESを読んでもらって気付かせてもらうしか解決策はないですね。
例えば、
吹奏楽部の部員が15名と少ない
→知らない人には多寡の判断がつかない
ハンドボールの得点を15点上げた
→知らない人には凄さがイメージできない
自分にとっては当然のことでも、それがどうすごいのかは面接官にはわかりません。自分にとっては当たり前すぎて自分でそれに気付くのはほぼ無理です。
チアリーディングは何人で試合に出場するのか?
ラクロスは何点とったらすごいのか?
やったことのない面接官にはわかりません。
部員10名と言われて多いのか少ないのかわかりません。
30点得点したと言われてもどれくらいすごいのかわかりません。
面接官はあなたの親友でもお母さんでもありません。
みなさんが何をどのように頑張ってきたのか、文字だけで読み取るのは本当に大変です(私も添削していていつも頭を抱えています)。
みなさんにとっては映像のように蘇る青春の数年間ですが、面接官は赤の他人の人生をたった400字の文章で想像しなければならないのです。
みなさんが逆の立場なら、かなり辛いと思いませんか。
自分が知っていることは何でも面接官が知っているはずはないのです。
ES(特にガクチカ)を書く際は、このことに一番気をつけて書くようにしてください。ほぼすべてのESでこのような事象が見られます。
こういったこともあり、ESを読んでいると、誰かに見てもらったESと、自分一人で書いたESはすぐわかります。
一人で書くと、自分の書き方で全部相手に伝わると思いこんでる場合が多いです。
可能であれば、社会人に見てもらうことをおすすめします。
OB訪問やリクルーター面談で見てもらえるように、たくさんセッティングできると良いですね。
言語化とは、何でしょうか。
みなさんがおばあちゃんにダブルクリックを教えないといけない時に、「電気消す時にカチカチやるでしょ。それと一緒だよ。」と伝えたとします。
つまり、みなさんと面接官の間の共通認識を提示し、それを伝えることが大事です。
しばもんが添削する時は、冒頭から読み進んで途中で「ん?」となったところにコメントを入れています。
途中で「ん?どゆこと?」ってならずに最後まで行けたESこそ最強だと思います。
「ん?」って思われたらほぼゲームオーバーだと思います。
ESを読む採用担当者は1日何百、何千、何万も読むかもしれません。
1枚に10秒もかけていないかもしれません。ザっと読んだときに、スラスラ最後まで読み進められるようにしておく必要があると思います。
なぜ「ん?」が生じるのかというと次の6つの原因が考えられます。
①読み手は知らない自分だけの自明を前提にしてるから
②因果・論理関係に飛躍・破綻があるから
③根拠が実体験・論理的推察に基づいてないため妥当性・信憑性に乏しいから
④冗長で読みにくいから
⑤企業で活かせる強みがないから
⑥日本語が変だから
特に、自分にとっては当然のことでも、全く他人が読むとわからないことがあります。
自分ではわかっているため、相手もわかっているかのように書いてしまうことがありますが、専門用語や経験者しかわからないような表現は避けるべきだと思います。
当たり前ですが、採用担当者は「自分が知らないことをみなさんに当然のように語れられる」と混乱してしまいます。
そうならないためには、次の4点を意識してESを書きましょう。
①自分の自明を他者に前提として強要しない
②現状把握から導いた問題とその原因分析の妥当性、それに対する解決策の有効性の因果関係を論理的に記述する
③経験から導出された説得力のある強みが入社後どのように寄与されるのか明確化する
④端的で的確に意図を表す語彙を使用する
▼全文はこちら
コメント